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機械設計 知っておきたい基礎知識

【知っておきたい基礎知識】機械エンジニアが知っておきたい基礎知識「材料試験法」の種類と特徴を解説

2021年11月7日

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どうも、ぜっとんです。

使用中の機械が変形しないように設計と材料選択をしないといけません。

そんなときに知っておきたい基礎知識「材料試験法」についてです。

機械設計は、材料の機械的性質を理解し使用環境の考慮する必要があります。

 

解説動画:第71回【知っておきたい基礎知識】機械エンジニアが知っておきたい基礎知識「材料試験法」の種類と特徴を解説

このブログの内容は、下記動画でも解説しています。

 

材料試験法について

材料試験は、JISをはじめ世界各国で定められた試験片と試験機で試験が行われます。

試験に使用する試験機の校正という審査により厳格に管理されています。

メモ

校正:標準器を使って測定機器が表示する値と真の値の関係を求めること

校正を受けることで、測定機器の値は信頼性を確保することできます。

つまり、材料試験は安全・安心なものづくりをするために欠かせないことです。

材料試験とは違いますが、別記事で検査や評価は機械設計のレベルアップに重要なことを解説しています。

 

試験法について

個々の材料で、試験条件が変わってきます。

材料の機械的性質や使用環境が変わるためです。

材料試験法の種類を下記にまとめます。

材料試験法の種類

  • 引張試験
  • 硬さ試験
  • 衝撃試験
  • 疲労試験
  • クリープ試験
  • 絞り成形性試験
  • 摩耗試験
  • スクラッチ試験
  • ねじり試験
  • 超音波探傷試験
  • 磁気探傷試験

などがあります。多いですよね^^;

全部の材料試験法を解説してしまうと、

読むのもイヤ
頭がパンクしてしまう

となってしまうので今回は代表的な材料試験法を解説していきます。

 

引張試験

機械材料として重要な機械的特性は引張試験で確認できます。

引張試験は、試験片を一定速度で引張ることで得られる荷重と伸びの関係から機械的性質を定義する試験です。

引張試験で得られた測定結果は「応力-ひずみ線図」で表します。

応力-ひずみ線図でわかることは、次の4つです。

応力-ひずみ線図でわかること

  • 比例限度
  • 弾性限度
  • 降伏点
  • 最大応力

などがわかります。

材料選びで重要なのは、比例限度と最大応力です。

比例限度とか最大応力とか難しいことを言わないように説明すると・・・。

比例限度内であれば、材料は変形しても元の形状に戻ろうとして最大応力以上の応力がかかってしまえば壊れてしまいます。

材料に対してゆっくりと力を加えていくため試験法は、『静的試験』といいます。

静的試験は他にも、『ねじり試験』、『クリープ試験』などです。

 

硬さ試験

材料の強さ(引張試験で確認できる機械的特性)は硬さと相関関係があります。

そのため、硬さを測定すれば引張強さもある程度推定することができます。

硬さ試験は試験方法によって種類があります。

硬さ試験の種類

◆ブリネル硬さ試験
超合金の球に一定荷重を加えて、くぼんだ直径から硬さを測定します。

◆ビッカース硬さ試験
四角錐(ピラミッド形)のダイヤモンド圧子に言って荷重を加えて、くぼんだ対角線の大きさから、演算式で硬さを測定します。

◆ロックウェル硬さ試験
鋼の球、円錐型のダイヤモンドなどの圧子を押し込み、くぼみの深さを測定します。
小荷重、大荷重、最初の荷重(小荷重)とかけて、圧入深さの差で硬さを表します。
他の試験方法と違って測定値=硬さの値になるため効率がいいため普及している硬さ試験法です。

◆ショア硬さ試験
ダイヤモンドを先端に取り付けたハンマを一定の高さから落下させて、はね上がりの高さから硬さを測定します。
正確性よりも携帯性の利便性を優先した試験なので、連続測定した平均値を硬さ値にしています。

があります。

しかし、ややこしい話しですが硬さには「単位」がありません^^;

そのため、どの試験方法で得られた値なのかわかるように試験方法で硬さ記号が決まっています。

硬さ記号

ブリネル硬さ試験(HB)
ビッカース硬さ試験(HV)
ロックウェル硬さ試験(HR)
ショア硬さ試験(HS)

 

疲労試験

機械材料は、時間的に変動する応力が加わることが多くあります。

そのため、材料が耐えられる応力だったり比例限度内の応力であっても材料の疲労で壊れることがあります。

疲労試験はそれを測定する試験です。

ねじり応力、曲げ応力など実際に想定される応力と指定の平均応力(0の場合もあります)を交互にかけて破壊するのに必要な繰り返し荷重回数を測定します。

疲労試験では応力振幅Sと疲労破壊までの繰り返し回数Nをプロットして、グラフS−N曲線で試験結果を表します。

S−N曲線は、材料の疲労に対する強度を示すものです。

繰り返し応力や速度(周波数)などの差による影響を考慮し、実際に材料が受ける力を加えて破壊する試験法を、動的試験といいます。

動的試験は他にも、衝撃試験、摩耗試験などがあります。

 

さいごに

機械エンジニアが知っておきたい基礎知識「材料試験法」について解説してきました。

もう少しわかりやすく説明できたらよかったのですが、まだまだ力不足でした。

材料試験の目的は、「安全・安心なものづくりをするため」です。

「機械が使用中に変形してしまったら」と考えるだけでも恐ろしいことですね。

そんな機械は使いたくないですし、設計者として使わせたくありません。

材料の機械的性質を理解し、使用環境を考慮し、安全な機械を設計していきましょう!(^^)

それでは!

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