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機械設計 知っておきたい基礎知識

【知っておきたい基礎知識】機械設計に必要な基礎知識「鋳造」の種類と特徴を解説【工作法】

2021年11月24日

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どうも、ぜっとんです。

工作法には様々な種類がありますが、今回は工作法の一つ「鋳造」についてです。

鋳造は、古くから使われている工作法の一つです。

金属を溶かし、型に流し込みいろんな形状の製品を作る加工法です。

 

解説動画:第72回【知っておきたい基礎知識】機械設計に必要な基礎知識「鋳造」の種類と特徴を解説【工作法】

このブログの内容は、下記動画でも解説しています。

鋳造について

鋳造の歴史はかなり古く、紀元前4000年前ごろにメソポタミア地方で始まったとされています。

銅を溶かしてモノを作っていた記録があるみたいです。

「鋳造」といっても加工法によって種類があります。

とはいえ、「鋳造」の原理とメリット・デメリットは共通する点があります。

 

鋳造の原理

まずは鋳造の原理から解説します。

鋳造の工程はざっくりと3つです。

鋳造の工程

  1. 金属を溶解して、中空の型に流し込む
  2. 流し終えたら冷却凝固させる
  3. 製品を型から取り出す

ざっくりですが、工程はシンプルです。

鋳造で出来上がった製品を鋳物(いもの)と呼びます。

メリット・デメリット

次にメリット・デメリットです。

メリットは3つ

  • 複雑な形状のモノをつくることができる
  • 小さい数グラムから大きい数トンまでつくることができる
  • 大量生産によってコストを下げることができる

デメリットは2つ

  • 良好な寸法精度や表面性状を得ることが困難
  • 肉厚が異なる鋳物では、凝固の速度が異なるため組織が不均一になる

鋳造の種類

次に鋳造の種類です。

鋳造の種類

砂型鋳造:生型鋳造法、炭酸ガス法(CO2プロセス)、Vプロセス、フルモールド法、シェルモールド法

金型鋳造

精密鋳造:インベストメント法、ダイカスト法

特殊鋳造:遠心鋳造法、低圧鋳造法

などがあります。

他にもまだ鋳造の方法はありますので、気になった人は調べてみてください。

また、このブログでよく紹介している機械設計技術者試験の参考書がオススメです。


鋳造の不具合

最後に鋳造の不具合です。代表的な不具合をまとめていきます。

代表的な不具合

  • 寸法不良
  • ひけ巣
  • ブローホール
  • 割れ
  • 介在物(かいざいぶつ)
  • 湯回り不良
  • 中子(なかご)不良
  • 鋳肌不良
  • 組織不良

などがあります。

設計時に注意することもありますが、鋳造の不具合が起きるのは鋳造作業中に原因が潜んでいることが多くあります。

 

加工法について

それぞれの鋳造について、特徴を解説していきます。

すべての鋳造について解説すると大変なので、代表的な加工法に絞って解説します。

砂型鋳造

  • 生型(なまがた)鋳造法の特徴

鋳物といえば、砂型鋳造が一般的です。

いろいろな形・大きさの鋳物を特殊な装置を使わずに比較的安易につくることができます。

砂型鋳造に使う砂を何回でも使うことができて、鋳型(いがた)の制作費も安く済みます。

また鋳型が簡単に壊れるため、鋳物を取り出すことも簡単な鋳造法です。

特に大きいものは砂型鋳造で制作されますが、大量生産には向きません。

  • シェルモールド法の特徴

1944年にドイツで発明された鋳造法です。

鋳型が貝殻状に硬化することから、シェルモールド法の名前の由来になっています。

金型を使って鋳造するため、他の鋳造法で作った鋳物と比べると寸法精度が良いことが特徴です。

しかし、製造工程で金型を250〜300℃まで加熱する必要があるため作業環境は悪いです。

また大きさも制限があり、最大で1㎡くらいの鋳型、鋳物は100kgくらいまでです。

シェルモールド法は、小型、薄肉の鋳物の製造に適しているため自動車部品などの大量生産品に適しています。

精密鋳造

  • インベストメント法の特徴

融点の低いろうで作った模型のまわりを耐火性の材料で包み固めて、加熱し、ろうをとりだして鋳型を作ります。

そのため完成品とほとんど同じ形状・寸法になるため、精度の高い鋳物ができあがります。

仕上げ加工が必要にないほど鋳物の表面は滑らかなものができます。

ただ、模型・鋳型ともに使い捨てのため大量生産には向きません。

また、大型の鋳物を製造することもできません。

インベストメント法は、小型で精密な機械部品(事務機器、歯車、食品機械)や歯科医療やペンダントなどにも用いられます。

  • ダイカスト法の特徴

溶かした金属を型に高圧で注入する鋳造方法です。

薄肉の鋳物ができるので軽量化が図れたり、形状が正確で寸法精度が良い鋳物ができます。

鋳型は繰り返し使えること、製造の時間も短いため大量生産に適している方法です。

融点が低いアルミニウム、亜鉛、マグネシウムなどの非鉄金属を使用しています。

そのため、自動車のエンジンやトランスミッション部品、ミニカー・超合金玩具、家電製品、カメラ、事務用品など広く用いられます。

 

さいごに

今回は工作法の一つ「鋳造」について解説してきました。

鋳造は古くから使われている工作法で、いろいろな形状の製品を作る方法です。

最後に鋳造の種類について復習しておきましょう!

鋳造の種類

砂型鋳造:生型鋳造法、炭酸ガス法(CO2プロセス)、Vプロセス、フルモールド法、シェルモールド法

金型鋳造

精密鋳造:インベストメント法、ダイカスト法

特殊鋳造:遠心鋳造法、低圧鋳造法

素材や製法によって用途や大きさなどいろいろなモノをつくることができる工作法です。

鋳造でつくられる鋳物は、切削などの他の加工方法に比べて、形状の自由度が高く、安くつくれ、量産性があることが最大の特徴です。

設計したい部品がどの加工法に適しているか、どれが一番安く作れるか設計者目線で正しい判断ができるように、一緒に知識を蓄えていきましょう!^^

それでは!

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