どうも、ぜっとんです。
機械設計では一つの部品に二つ以上の機能をもたせることがあります。
それが「表面処理」です。
表面処理で表面に別の機能を与えます。
例えば、車のエンジンでは、構造材として外形を維持しながらその一部が摺動部になります。
解説動画:第35回【知っておきたい基礎知識】機械設計に必要な基礎知識「表面処理」
このブログの内容は、下記動画でも解説しています。
表面処理とは
表面処理とは素材の表面にさまざまな性質を付与するための材料処理のことです。
耐摩耗性、潤滑性、耐食性、耐熱性、断熱性、導電性
などの性質を向上させることができます。
金属表面の酸化を抑えるために施す「めっき」や、金属表面の硬度を高くする「浸炭」なども表面処理の一種になります。
表面処理は、方法によって処理される面が決まります。
無電解めっきのように液中に浸漬させるものは全面が処理されます。
また、蒸着の場合では一方向からの堆積のため一面のみの処理になります。
同一面内で、処理したい部分と処理したくない部分がある場合は、マスキングや追加工などの別処理が必要になります。
摩擦や摩耗が発生するとき
二つの物体が接触して動作するとき、摩擦や摩耗が発生します。
この摩擦・摩耗の対策にあたる潤滑についての技術を総称して「トライボロジー」と呼びます。
摩耗は、微視的な表面の塑性変形や金属結合とせん断によって発生します。
機械的なひっかかりと金属結合部のせん断が摩擦力になります。
金属表面を潤滑油で覆うと、金属結合する部分が少なくなり油のせん断抵抗が摩擦力になります。
そのため、摩耗・摩擦ともに軽減できます。
摩擦や摩耗を軽減するための潤滑油も表面処理のひとつと言える存在です。
さいごに
機械設計に必要な基礎知識「表面処理」を解説してきました。
表面処理で表面に別の機能を与えていきます。
ポイント
耐摩耗性、潤滑性、耐食性、耐熱性、断熱性、導電性などの性質を向上させることができる
摩擦や摩耗を軽減するための潤滑油も表面処理のひとつ
表面をひとつの部品と捉えて機能を付与する設計を行うことで、安価な製品を実現できます。
機械設計では、表面も部品と一つとして意識することが大切です。
それでは!