※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

機械設計 知っておきたい基礎知識

【知っておきたい基礎知識】機械設計に必要な基礎知識「塑性加工」の種類と特徴を解説【工作法】

2021年10月19日

スポンサーリンク

どうも、ぜっとんです。

工作法には様々な種類がありますが、今回は工作法の一つ「塑性加工」についてです。

塑性加工は一般に他の金属加工方法よりも加工時間が短く、材料ロスが少なく、大量生産に向いている加工法です。

 

解説動画:第68回【知っておきたい基礎知識】機械設計に必要な基礎知識「塑性加工」の種類と特徴を解説【工作法】

このブログの内容は、下記動画でも解説しています。

 

塑性加工とは

まず塑性加工についてです。

金属が外力に受けたときに変形し、外力を取り除いても変形がもとに戻らない永久変形する性質を利用した加工法のことです。

金属加工法としては最も古く、紀元前3000年頃の古代エジプトの遺跡から塑性加工で作られた装飾品が見つかっています。

日本刀をつくる加工法も塑性加工です。

 

塑性加工の種類

塑性加工の種類です。

塑性加工の種類

  • 鍛造(自由鍛造,型鍛造)
  • プレス加工(せん断,プレス抜き,深絞り,曲げ,フォーミング,スタンピング)
  • スピニング
  • 転造

これだけあります。

加工法について

次は鍛造、プレス加工、スピニング、転造の加工法を解説していきます。

鍛造やプレス加工は種類が多いので、代表的な加工法に絞って解説していきます。

鍛造:型鍛造

製品の形状に合わせた型(金型)で材料の表面の大部分を同時に加圧して成形する加工法です。

材料が金型によって拘束される程度によって次の3種類に分類されます。

  • 開放型
  • 半密閉型
  • 密閉型

プレス加工:せん断・プレス抜き

せん断加工は、言葉の通りせん断力を利用した加工法です。

板材(鉄板)を2つの工具(上刃と下刃)の間に挟み込んで切断します。

プレス抜き加工は、ポンチ(上部)とダイス(台)の2つの工具を使い、薄板を打抜く加工です。

紙をファイリングするときに、穴をあける道具と同じ原理です。

プレス加工:曲げ

曲げ加工は、板材を工具や機械を使って曲げる加工です。

曲げ加工は使用する道具で種類分けされます。

曲げ加工3種

  • 曲げ型を使用する型曲げ
  • 折曲げ機を使用する折曲げ
  • 上下のロールを使用するロール曲げ

プレス加工:スタンピング

スタンピングは、線材や棒材、板材を工具で直接圧縮し成形する加工です。

上型と下型で圧縮させるため、プレス機械を使って加工します。

スピニング

スピニングは、円形の平らな金属薄板を回転体の成形型に押し当てて、ヘラという工具で型の輪郭に沿って成形させます。

「へら絞り」とも言われます。

回転体の加工に適しているので、鍋、やかんなど家庭用だけではなく

航空機のノーズコーン(先端部分)やパラボナアンテナなどの大型製品の加工に使われています。

転造

転造は、素材(ワーク)を転動(ころがし動かす)させながら成形する特殊な加工法です。

転造ダイス(断面がねじ山の形をした工具)を2個または3個1セットで回転させ、素材に押し当てます。

転造は切削加工と違い、素材表面を盛り上げることで成形するので、加工硬化し結晶が微細化して硬い組織になり静的精度や衝撃強度、疲労強度が大きくなります。

そのため、切削加工より加工精度が良いものが出来上がります。

 

さいごに

機械エンジニアが知っておきたい基礎知識「塑性加工」について解説してきました。

塑性加工の種類として代表的な加工法を解説してきました。

ポイント

  • 鍛造
  • プレス加工
  • スピニング
  • 転造

塑性加工は少ない工程で、一気に最終形状近くまで成形できる加工法です。

そして、低コストで大量生産できるのに強度もある製品ができる他にはない加工法になります。

試作品や正規品を製作するときは、部品の形状、機能を考えて加工法を選びましょう^^

それでは!

スポンサーリンク

-機械設計, 知っておきたい基礎知識