どうも、ぜっとんです。
機械設計の中で、動いを伴う部品を設計するときに必要な知識があります。
それは、機械力学と制御です。
機械力学は勉強している人は多いと思います。
ですが、今の機械エンジニアは制御も必要な知識になります。
解説動画:第37回【機械設計に必要な知識】機械エンジニアが知っておきたい学問「機械力学と制御」
このブログの内容は、下記動画でも解説しています。
機械力学は剛体が前提な学問
機械力学と高校物理で似ている部分があります。
運動、力、仕事、力学的エネルギー、波などがあります。
しかし、機械力学と高校物理とで大きく異なっている点があります。
それは、機械力学は剛体が前提な学問で、高校物理は質点が前提な学問になります。
まずは、剛体と質点の違いを見ていきます。
剛体:大きさを持ち、微小要素それぞれに質量があるもの
質点:大きさがなく、全体の質量を1点に集中させたと仮定したもの
機械力学の考え方と、高校物理の考え方それぞれ誰でも使ったことがある自転車で説明していきます。
まずは、馴染みがある人が多い高校物理です。
自転車で坂を下るときに摩擦がないと仮定します。
すると、位置エネルギーが運動エネルギーに変換するので自転車の速度を計算できます。
これが、質点の考え方です。
質点は、大まかな動きを考えるときに適した考え方になっています。
次に、機械力学で説明してみます。
自転車の車輪の回転軸となる軸受を設計するとします。
軸の大きさや回転の速さ、車輪の重さなどの具体的な状態を前提として、回転摩擦を低減する形状を決めていきます。
これが剛体の考え方です。
実際の動きを考慮した考え方です。
制御は、検出・演算・操作からなる
機械力学では実際の動きを考慮した考え方で自転車の軸受を設計していきます。
もっと実際の動きを考えてみましょう。
自転車で下り坂を走っているとします。
あなたは下り坂で自転車を運転するときとしたらどうしますか?
実際にはスピードが出すぎないようにブレーキをかけてスピードを調整しますね。
このあなたがした操作を機械の動きに言い換えると「制御」になります。
機械に目標値を設定しておくとします。
機械は目標値の変化(自転車がどんどん加速する)を検出して、操作量を変えていきます(ブレーキをかけていく)。
操作量を変えることで制御量(自転車の速度)を一定に保つことができます。
この操作量と制御量という入出力の関係を調べて、制御量を目標値を保たせようとするのが制御の考え方になります。
自動制御は、
状態を検出するセンサ、操作量を決定のための演算をするコントローラ、実際に操作するアクチュエータ
の3要素に分類できます。
さいごに
機械エンジニアが知っておきたい知識「機械力学と制御」について解説してきました。
簡単なまとめです。
ポイント
- 機械力学は剛体が前提な学問
- 制御は状態を検出し、演算、操作する3要素に分類
機械力学は動きを伴う機械設計に必要な学問です。
制御は動く機械部品を制御するために必要な学問です。
機械力学についてはなんとなく勉強していたらわかる学問かもしれませんが、制御についてはなんとなくでは難しい学問です。
ですが、今後の機械エンジニアに必要な学問です。
ぼくもまだまだ不安要素ばかりです。
なので、コツコツと勉強して行きたいと思います。
それでは!