どうも、ぜっとんです。
機械製図では、基準寸法に対する許容幅を考える必要があります。
製品のできばえ(できあがり)寸法である「実寸法」に対して、あらかじめ許された誤差の範囲限界である「許容限界」の大小2つの限界を示す必要があります。
大きい方を最大許容寸法、小さい方を最小許容寸法といいます。
最大許容寸法と最小許容寸法の差を「寸法公差」といいます。
公差をもつ部品を実際に組み合わせるときに考えることがあります。
それが「はめあい」です。
解説動画:第34回【機械製図の基礎知識】機械製図の「公差・はめあい」について解説
このブログの内容は、下記動画でも解説しています。
様々な観点で見る公差
機械製図で公差を決定するときは、様々な観点を見る必要があります。
機械設計の観点では、製品を組み立てるときのばらつきを抑えるためにできるだけ狭い公差を設定します。
しかし、部品加工の観点では、加工ばらつきがあっても良品となるようにできるだけ大きく(ゆるく)設定します。
機械加工で部品を加工する場合は、公差が狭いと加工時や検査時に寸法が外れやすくなり、再加工を繰り返すことになります。
最悪作り直しの可能性もあります。そうすると部品単価が高くなります。
逆に公差が大きい場合は、加工はしやすいですが製品に組み付けたあとに実運用で問題が生じる可能性があります。
公差を決める場合は、製品性能・加工性・経済性を考慮する必要があります。
機械製図で公差を決定するときは、様々な観点を確認する必要があります。
はめあいで組み合わせ状態を指示する
公差をもつ部品を実際に組み合わせるときに考えることがあります。
それは、「はめあい」です。
はめあいとは、機械部品の穴と軸とが互いにはまり合うときの寸法差から生じる関係をいいます。
一般的にはめあいは3種類に分類されます。
穴と軸との「きつさ」によって決まってきます。
隙間を残す「すきまばめ」、隙間がなく締め代がある「しまりばめ」、すきまばめとしまりばめの中間である「中間ばめ」があります。
すきまばめは、軸と穴は干渉していません。
しまりばめは、軸と穴は必ず干渉しています。
中間である中間ばめは、軸と穴は干渉する場合があります。
それぞれの実用例として、すきまばめはグリースや潤滑油を塗布された摺動部に用いることが多いです。
しまりばめは軸受の圧入に使用し、中間ばめはスラスト軸受と軸との関係に適用されます。
さいごに
機械製図の基礎知識「公差・はめあい」を解説してきました。
公差とは、
ポイント
最大許容寸法と最小許容寸法の差を「寸法公差」といいます。
公差を決める場合は、製品性能・加工性・経済性を考慮する必要があります。
はめあいとは、
ポイント
機械部品の穴と軸とが互いにはまり合うときの寸法差から生じる関係をいいます。
隙間を残す「すきまばめ」
隙間がなく締め代がある「しまりばめ」
すきまばめとしまりばめの中間である「中間ばめ」
の3種類に分類されます。
機械設計では、公差とはめあいだけではなく積み上げ公差(集積公差)を計算する必要があります。
公差とはめあいについては、勉強するとかなり奥が深いです。
それでは!